第9回 FFIT学術賞受賞者
五十嵐 健夫 ( Igarashi Takeo )
東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授(所属は、2009年10月1日現在) |
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受賞テーマ | コンピュータグラフィクスのためのユーザインタフェースに関する研究 |
◇◇業績概要◇◇ 五十嵐氏は、従来は専門家が膨大な時間をかけて作成するものであった 3次元CGの製作を初心者でも簡単に行えるようにしたことである。具体的な成果として、 2次元のスケッチを描くことで簡単に 3次元形状を作成する手法、画面に表示された絵を両手でつかんで動かすことによる2次元アニメーション作成手法、 3次元キャラクタと 2次元的な服の間の対応関係を指定することで簡単に服を着せ付ける手法等がある。これらの成果は、スケッチインタフェースという新しい研究分野を切り開くものとして高く評価されており、開発した技術のいくつかはすでに実用化され広く使われている。 |
第9回 船井学術賞受賞者5名
牧野 和久 ( Makino Kazuhisa)
東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授
(所属は、2009年10月1日現在) |
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受賞テーマ | 列挙アルゴリズムの設計と解析に関する研究 |
◇◇業績概要◇◇ 牧野氏は,列挙アルゴリズムの設計と解析に関する研究、ならびにそれらを人工知能、データマイニングなどの分野へ応用する研究を行い国内外で非常に高い評価を受けている。中でも顕著な業績は「推論補完」と「論理関数の双対化」であり,コンピューターサイエンス分野、特に発見科学の中心的課題に関する世界的なブレークスルーであり、国際的に大きなインパクトを与えた。そしてこれらの成果は発見科学における日本の先進性を計算理論の面から支える大きな成果である。
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戸川 望 ( Togawa Nozomu )
早稲田大学理工学術院基幹理工学研究科 教授
(所属は、2009年10月1日現在) |
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受賞テーマ | 抽象動作記述からシステムLSIを自動合成するための革新的技術に関する研究 |
◇◇業績概要◇◇ 戸川氏は、システム LSIの設計技術とりわけ対象アプリケーションをソフトウェアプログラムによって記述した「抽象記述」から、そのハードウェア動作を抽出し「システムLSI」を自動的に合成する技術に関する研究を行い、その成果は国内のみならず米国学会 IEEE/ACMから複数の賞を受賞するなど目覚しい成果を挙げている。
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本間 尚文( Homma Naofumi )
東北大学大学院情報科学研究科
准教授 (所属は、2009年10月1日現在) |
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受賞テーマ | ハードウェアアルゴリズムの高水準設計技術とその応用に関する研究 |
◇◇業績概要◇◇ 本間氏は、複雑化する LSIデータバスの設計問題を解決する新しい設計パラダイムとして、算術演算回路のハードウェアアルゴリズム(算術アルゴリズム)の高水準な記述・検証・合成技術を開拓してきた。特に2進数と非 2進数を統合した数系・数式に基づく算術アルゴリズムの表現手法を発案し、それに基づく算術演算回路の合成・検証システムを世界に先駆けて開発した。同システムは,算術アルゴリズムの検証のために新たに開発した言語を備え,機能が完全に保証された回路のみを高速に合成できる。これは、高度な計算機代数の技法を回路検証に適用することで初めて実現され、国内外から高く評価されている。
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首藤 一幸 ( Shudo Kazuyuki )
東京工業大学大学院情報理工学研究科 准教授
(所属は、2009年10月1日現在) |
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受賞テーマ | オーバーレイネットワークの基盤・応用ソフトウェアに関する研究 |
◇◇業績概要◇◇ オーバレイネットワークは、アンダーレイ、例えばインターネットの上に構築されるアプリケーションレベルのネットワークであり、アンダーレイ自身が持たない様々な機能を提供する。次のインターネットを設計する上でも欠かせない基盤技術となっている。首藤氏は、オーバレイネットワークの研究に欠かせない基盤ソフトウェア (Overlay Weaver)を世に提供するとともに、オーバレイを応用したコンテンツライブ配信技術・ソフトウェア(UG Live)を研究・開発、商用化を達成した。 |
原田 博司 ( Harada Hiroshi )
独立行政法人情報通信研究機構 ユビキタスモバイルグループ グループリーダー
(所属は、2009年10月1日現在) |
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受賞テーマ | ソフトウェア無線・コグニティブ無線技術に関する先駆的研究開発および標準化 |
◇◇業績概要◇◇ 各種無線通信システムを実現するソフトウェアを切り替えることにより複数の通信システムを l台の無線機で実現するソフトウェア無線技術を用いたマルチモード無線機の小型化に世界初で成功した。さらにこの技術を拡張し、コグニティブ無線技術に展開し、400MHz-6GHz帯の周波数を認識、対応可能なコグニティブ無線機を世界初で開発した。このように原田氏のソフトウェア無線技術、コグニティブ無線技術等の研究成果は国内外を問わず高く評価されている。 |